F.L.ライトのヨドコウ迎賓館
兵庫県芦屋市に、巨匠フランク・ロイド・ライト設計の住宅があります。
ライトが帝国ホテル建設の目的で来日したとき、山邑家別荘として設計し、1924年2月に完成しました。
阪急電鉄芦屋川駅から芦屋川沿いに5分ほど歩くと、南斜面にそっとその地に調和するよう建っているのが見えます。
ライトといえば、生涯400棟の実績を残し、作品のほとんどはアメリカにあり、グッゲンハイム美術館、落水荘が有名です。
日本で設計した6件の住宅の中で、唯一創建当時の姿を留めています。
斜面に沿うように建てられた外観を鑑賞しながら南側にある玄関へと向かいます。
門からのゆっくりしたアプローチが、内部への展開を胸躍らされます。
彫刻を施した大谷石からは、温かみ・柔らかな風情を感じます。ライトならではでしょう。
玄関部分の車寄せ。左側が玄関。
真ん中の石台は水が流れるようになっています。
4階の食堂と続いているルーフ・ガーデン。
ここでパーティーをしたのでしょう。
南に大きく開けており、大阪湾を眺望できます。北側には六甲の山並みを望めます。
4階テラスから北側方向・食堂です。暖炉の煙突が立ち上がっています。
幾何学的な端正なデザイン。
緑青銅版の飾り金具、木製建具などライトデザインの見所が堪能できます。
内部は、南北に細長い敷地の斜面に寄り添うように階段状に階を重ね、断面で見ると、1階ないし2階建てになっています。
各階の階高も低く設定され、低く長く横に伸びる水平線が土地と建築の一体化を理想としたライト建築の特徴です。
F.L.ライトの日本での実績は、「草原住宅」の第一黄金時代、「ユーソニア住宅」の第二黄金時代に挟まれた、余り仕事に恵まれなかった1/4世紀の間に行った時の設計だったのです。
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