あれから15年
ハイチでM7.0の大地震が起きました。
首都が壊滅ということで、国の機能が完全にマヒしており、ハイチ政府もどうなっているか分からない。空港の管制塔、港、道路も崩壊し、各国の救援部隊もどうアプローチしていいか難しいらしいです。自国の警察、救援部隊もいるのかどうか・・・、治安も当然悪くなっているでしょう。日本は、まず20人の医療部隊を派遣することにしました。これ以上の被害が大きくならない事を祈ります。
17日で阪神・淡路大震災から15年。
震災地・神戸の長田にカトリック鷹取教会があります。震災で建物は全壊しましたが、キリスト像だけが奇跡的に燃えずに残った教会です。
このキリスト像の脇の青空の下で、様々な国籍の人が集まり焚き火を囲み、ミサを行っていました。教会自体被災したにもかかわらず、地域復興の為の拠り所となっていました。
「紙の教会」「紙のログハウス」
建築家・坂茂氏は東京から飛んで行き、紙管を使った建築を神父に提案しました。
紙管建築は、〇安い 〇短時間で組み立てが簡単 〇軽い 〇誰にでも出来 〇断熱性能がある 〇美しい 〇再生できる という点で、緊急時の仮設建築にはもってこいであります。
「紙の教会・ペーパードームたかとり」は全国からの義援金、各企業から寄与された建材により、160人以上のボランティアによって5週間で完成しました。
この建設費の義援金(目標1000万円)・ボランティアは全て坂氏が集めるというのが神父との約束でした。大変なご苦労だったと思います。
ポリカーボネートの長方形の中に、58本の紙管で構成した80席が配せる楕円形のホールです。
実は、現在、神戸にありません。
震災で被害を受けた台湾に移築され、活用されています。
現在の「幕屋の教会」は円形の平面で、天井は鼓の形のように幕が張ってあり、自然光が幕を透し入ってきます。
壁は直径5cmの紙管で吸音材の役目を果たしています。
内部は広くはないですが、明るい軽やかな天井が上に大きく開き、時間と共に変化する太陽光で幻想的な空間となっています。
直径33cm厚み15mmの紙管が「紙の教会」の雰囲気を継承しています。
全体の建物の配置は中央に多目的イベントが可能な中庭を、事務所棟・幕屋の教会・司祭関連棟が囲んでいます。
この大きなオーバーハンキング・シャッターはグラスファイバー製で、全面開放したときには、庇になりデッキ部の半野外空間となります。奥には、キリスト像が見えます。
この施設は、大きな災害を乗り越えて、地域住民のなくてはならない場となっていると思います。
坂氏は、「社会のために建築家は、はたして役に立っているのだろうか?」という自問自答と、先入観・既成概念にとらわれず、紙菅のようにモノの滞在能力を引き出しうまく別に転用できるか・・・このことを、この神戸で示したのであります。
強い意志と行動力、そして、いかに社会へ貢献するかが建築家として重要なことでしょう。
このあたりは新しい家が建ち並んでいました。小さなポケットパークに、瓦を載せた東屋です。すばらしい
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