ジョージ ナカシマ
香川県高松市は、当市の文化的価値を高める為、丹下健三、イサムノグチ、流政之、ジョージナカシマを招きいれました。
米国国籍の日系二世の家具デザイナー・ジョージ ナカシマ記念館、そして、ナカシマの家具を製作している桜製作所は高松市にあります。1948年創業の桜製作所は「人」「木」「美」を3つのテーマとし、手仕事の大切さを大事にしている家具製作会社です。
社名の「桜」としたのは、日本を代表する木工会社になろうということらしいです。
ちなみに、家具によく使われる桜は、実は、真樺などのことで花が咲くあの桜の木とは少し違うそうです。
「ラウンジ アーム チェアー」 建築家・宮脇壇氏が愛した椅子で、ベッドの横に置いてあったらしく、きっとアーム上にグラスを置き寝る前に一杯やられたのでしょう。
ナカシマはワシントン州で生まれ、大学では森林・建築を専攻し、最初は建築家を志しました。
「自然の姿を、そのまま生かす。ここまで育つのにも多大な時間が費やされた。」
ナカシマは世界を歩き、特にインドでは、人生観が変わるくらいの衝撃を受け、そこに一生住むことまで考えたそうです。
シンプルで、そして身体に優しくフィットします。建築出身らしく、構造の強さ・美しさをそのまま姿に表しています。背もたれ部分の棒も一本一本手作業です。
アントニン・レーモンド事務所で働き、その時の同僚は、前川國男、吉村順三です。軽井沢の聖パウロカトリック教会の設計に係わりました。ここでデザインした丸太の椅子はジョージナカシマ記念館にあります。
ナカシマが木工への道に進むきっかけとなったのは、1942年太平洋戦争での日系人強制収容時に日系2世の大工と出会ってから。大工道具、日本の技術の素晴らしさに触れ感銘を受けたとされています。
実は、ナカシマはカリフォルニアの視察旅行でF.L.ライトの建築現場を見て失望しました。構造や骨組みはどうにも不適当で、また、労働者の技能にも疑いを感じた。全てを初めから終わりまで自分自身で統合できる職を探さなければと思った。そして、生涯の仕事として家具作家を選んだ。
ナカシマが日本で手がけた唯一の建物と思われる、京都・桂カトリック教会。
壁は杉板のRC打ち放しであり、屋根はエントランス側から祭壇に向かってそり上がり、天への上昇を意味しているのだろう。現在の十字架は当初のものより小さくなっているそうです。窓は日本的デザインです。
木の生きてきた長い年月を思い、木を活かす場所を見つける。ナカシマは家具を作るとき、木と対話しながらいつもそう心がけていました。
建築出身者ゆえに、木の特性をいかに構造・デザイン両方に活かせるか。椅子も安全・快適でなければ意味がない。ジョージナカシマの仕事から多くのことが感じられます。
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コメント
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いいとこ行ってますね
ゲストハウスがなくなってさびしいですね
鷹取来たときよってくれればよかったのに
また近所きたら声かけてくださいね
投稿: かわばた | 2010年1月29日 (金) 17時05分
ありがとうございます。
また、神戸に行った時は、遊びにいきまーす!
投稿: とら | 2010年1月30日 (土) 13時46分