奈良現場日誌-大津磨き-
室内最終仕上げです。大津磨き仕上げ。下地は3週間前に塗り終え、乾燥させました。
仕上げに塗る引土の材料は、土に石灰、紙スサ。糊は入れません。居間の仕上げの引土は愛知県産の土です。この住宅のメインの壁です。
ちり際は小さな鏝で慎重に押えていきます。1800×2400の壁に3人の左官が1日掛かりで仕上げます。
鏝で何回も押さえ、柔らかいビロードという布で表面を拭き、光沢を出します。
寒いのでなかなか水は引きません。
これは、玄関壁の桜色大津磨きの引土です。白土+弁柄+紙スサを念入りに混ぜています。
大津磨きは、下塗りの灰土の段階から鏝で磨くのが重要で、その上に引土で押さえ込んで磨いていきます。仕上げの引土は数ミリの薄い皮膜のようになります。
現場は静寂の中で鏝音だけ響いています。左官は指先と鏝音を頼りに力の加減をしています。
左官は水との戦いです。緊張の中、工程は進んで行きます。
玄関側は寒いので、水がなかなか引かなく、朝から21時までこの壁を磨きました。
タイミングを計り、二人で押えていきます。高度な技術と手間と経験が必要な左官最高級で難しい仕上げです。
仕上がりは、上品で光の加減によって光沢を帯び、きっと、吉野杉との相性はバッチリでしょう!
桜大津磨き壁はお客さんを優しくお出迎え、黄大津磨き壁は家族の成長を見守るでしょう。
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