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建築虎視眈々[竹中大工道具館]

 10月に日本で唯一の大工道具をテーマにした博物館「竹中大工道具館」が移転・開館しました。建物は、地上一階・地下二階、淡路いぶし桟瓦葺きの寄棟で、六甲山を背後に、周囲の高層建築とは違った、緑の中にひっそり慎ましく建っています。

Cimg1559 建物内の中庭は、淡路の達磨窯で焼いた敷瓦と、左官・久住有生氏が作成した平らな壁を鏝で削り、凹凸を出し、版築壁のように仕上げた大壁が見事です。

Cimg1577_2内部は、収蔵約3万点の内約千点が展示され、縄文から現代に至る大工道具や、資料などが年代順・道具順に紹介され、わかりやすい映像もあり、内容が豊富で、見入っていたら時間があっという間に過ぎます。

Cimg1584_2 大工道具の進化・発明を時代と共に追っていくのは、様々な発見があります。

 まず、建築するには、木を切ることから始めます。打製石器(旧石器)~縄文時代の磨製石器(新石器)~弥生時代の鉄器へと進化していきますが、縄文遺跡の出土では、軟らかい石器、そして、栗の木が出てくる。弥生時代の遺跡からは、針葉樹の建築部材が多く出土する。

 縄文時代。石を研ぐには硬いより軟らかい方が作業能率がよいのは明らかであり、また、使用する木は、当時、硬い栗だったそうです。

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 栗のような硬くて目の詰んだ広葉落葉樹なら石の刃先が食い込み削ることが出来る。軟らかい杉や檜の針葉樹は、石器ではへこむだけで跳ね返されてしまう。鉄器になり、針葉樹が使われだしました。

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 8世紀に建造された国宝・唐招提寺金堂の原寸の木組みが、吹き抜けに展示されています。見れば見るほど美しい木組みのバランスです。大きな屋根を支える為、力の流れ・工夫がよくわかります。

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 鋸が出てくる前は、ノミと楔で板を割っていました。割り板時代は、杉や檜のような筋が通り節の無い真っ直ぐな針葉樹が主だったそうです。鋸の出現で作業効率、板材の使用が大きく変化しました。

Cimg1636 ロビーの天井は、奈良杉で組んだ船底天井です。天井が軽く美しく波打っているのは気持ちが安らぎます。

Cimg1640_2 大工道具は、機能のみで変化をしてきた感はありますが、デザインのみで考えても美しい造形になっています。何をとっても無駄な形にはなっていません。優れた鍛冶屋も重要です。鋸、鉋、錐、鑢、鉞…“かねへん”のつく道具が多いのも納得です。

Cimg1595 

 小川三夫棟梁のノート。見入っちゃいます。

Cimg1599 図面も素敵

小川棟梁曰く「人も図面も、単純できれいに無駄のないものじゃなくちゃだめだな」

「大工図面だから実用。造る大工が使える図面」 大工の実作業を塾考、きちっと組まれてかつ単純で力が均等にかかることを考える。

 

 竹中大工道具館は、ものつくりの心を道具を通して私たちに教えてくれるメッセージ性の高い博物館です。勉強になります。建築に関わっている人はもちろん、建築学科の学生、子供達、また、これから家を建てようと考えている人は非常に心に響いてくると思います。

人が暮らす家なのにパッと選んでパッといつの間にか完成する家。

そんなの、ダメよ~。ダメダメ!

 日本建築の、木造の素晴らしさを体感できる館です。おすすめです。


























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