安芸の小京都・竹原
広島県の竹原は平安時代、京都の下鴨神社の荘園として栄えました。
竹原の町は、江戸中期から明治初期までに建てられた町屋がよく残っています。
1950年、赤穂塩田についでこの地に入浜式塩田を作り、その経済発展をもとに造られた町です。昭和35年、塩田が全面整理され、その跡地に中心地が移行し、現在に至っています。
上市下市は、江戸時代後期に製塩や酒造業で栄えた立派な屋敷やお寺が本町通りをメインとし、町並みを形成しています。
「マッサン」で更に有名になった竹鶴酒造。
ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏の生家で、「小笹屋」の屋号です。訪れた日は、すべての酒が売り切れていました。
南北に走る本町通りは、ゆるく湾曲し、突き当り北側に胡堂、南側のはずれに地蔵堂が建ち、通りはそこで直角に曲がります。「ここからここまでが本通りですよ。」という目印になっています。
北側突き当りの胡堂は、映画「時をかける少女」に出ていました。
「松阪邸」 唐破風のてり・むくりの本葺き屋根。二階の菱格子の塗りごめ窓、一階の出格子等、華麗で重厚な意匠が特徴的です。
この道の緩いカーブと、平入り・入母屋の混在しシークエンスが竹原独特のリズムになっています。
そして、意匠を凝らした一軒一軒楽しみを味わえる「竹原格子」。
一階は出格子で、二階は虫籠窓や武者窓の塗格子。古い格子は太く、江戸後期になると隙間が狭く繊細になり縦格子に横格子を加えた意匠になりました。
漆喰壁に瓦一枚の小庇。味がありますねー。
二階の窓部分も凝っています。
人がゆっくり歩くスケールの程よい町並みになっています。一軒ごとの町屋の意匠を楽しみながら散策できる情緒あふれる竹原は、日本の貴重な風景として残っていってほしいです。
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