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「闘将」 前川國男

 先月、岡山県立美術館にて「前川國男展~岡山からの提言~」が開催されました。

 岡山には、県庁舎、天神山文化プラザ、林原美術館の作品が現存しています。

 世界文化遺産に認定されるだろう(2016.7.10世界遺産委員会で登録の審議)「ル・コルビュジエの建築作品」7か国17作品の中に、東京の国立西洋美術館があります。その実施設計を3人のコルビュジエの弟子(前川國男、坂倉準三、吉阪隆正)が行いました。そのうちの一人、最初の弟子が前川國男です。

Cimg2873
 前川國男は、建築家の職能確立に取り組み、モダニズムのインターナショナルな側面を引き継いだ建築家です。

 卒業論文でコルビュジエ論を書き、卒業式の夜友人たちに見送られ東京駅を発ちシベリア鉄道を利用してパリのコルビュジエ事務所へ向かいました。2年間コルの事務所で働き、帰国後レーモンド事務所で5年、そして1935年独立しました。

Cimg2884 最初の作品「弘前こぎん研究所」は、バルコニーが凍害により朽ちてしまい前川は「モダン建築は脆弱だ!」。「弘前市民会館」の打放しコンクリートでは、高温多湿な日本では打放しは痛みが激しく長く持たない。その後打放しコンクリートをやめタイル貼りにします。

 「弘前市庁舎」では庇を長く出し、「緑の相談所」「弘前市斎場」では、前川にとっては重い決断をしました。モダニズムと対立する傾斜屋根にしたのです。

Cimg2904 「岡山県天王山文化プラザ」1962年竣工。ピロティ、打放し、ブリーズ・ソレイユ、コルビュジエ建築の要素が取り入れられているこれぞ近代建築の岡山の名作。

Cimg2921 実は、和風の屋根を架けることが条件の「帝国博物館のコンペ」で前川はあえて陸屋根の案を出し落選しました。しかし、モダニストのアイデンティティーをかけ戦い、敗れはしましたが賞賛され闘将と呼ばれるようになりました。

Cimg2879 「環境破壊を起こす建築は断ることが建築家の決断として求められる」

 「伝統と創造を思わずして、我々は歴史を考えることはできない」

 「ミースの建築には魅力を感じない」

 「いいプランは美しい。プランを練っていくと一筆書きで描けるようになるんじゃないか」

 「住む人の自発性を殺してしまうようなデザイン本位の家なんかは死んだも同然と言えるでしょう」

 「樹は自然のままの姿が一番だよ」

 「人間いかに生きるかのほうが建築よりも大切だ」

 「建築の設計は人から頼まれてやるもの。頭を下げて取った仕事はろくなものはできない」 節操なく仕事を取らない。

 前川事務所は設計入札は拒否していました。設計料の競争で設計者を選ぶ方式には声がかかっても辞退する方針でした。

Cimg2890 キャリアの最初の作品でうまいこといかず、その現実から目を背けることなく問題の克服を全身全霊で考え、永く残る本物の建築を求め挑戦した建築家。

 プレファブ住宅 プレキャスト化 打込みタイル スチールサッシ・・・

 日本に近代建築を打ち立て、建築家の持つべき誇りを貫き通し戦い続けた「闘将」。

 今、前川國男の声を聴く時かもしれません。

 



 


 









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