千年の甍(竹中大工道具館 企画展)
元興寺の極楽堂と禅室の瓦は、一部千四百年前のものが載っています。凄い


日本に瓦が伝わったのは588年。飛鳥寺で初めて使われのちに奈良に元興寺として移されました。
日本最古の平瓦と丸瓦。桶巻きづくりという製法であった。
桶に粘土を巻き、平瓦は4分割、丸瓦は2分割して窯で焼く工法であった。


古代瓦のもう一つの工法は、今も続く1枚づくり工法。こちらの方が簡単で素早く作れるので8世紀頃から平瓦づくりの主流になった。
登り窯。薪は樹齢40~80年くらいの松が樹脂が多く火力が強くてよかったそうです。一窯に1600束の松薪がいったそうな。薪を割るのも大変ですね。
軒丸瓦。トモエと言う。様々な文様が愛らしい。



11世紀までは蓮華紋、12世紀以降は巴紋が主流になった。他に家紋、文字などがあります。
吉野仏舎利塔の鬼瓦。鬼瓦は棟の両端から雨水が侵入しないよう塞ぐ瓦。この様な鬼面が登場したのは奈良時代以降。いつの間にか鬼瓦と呼ばれるようになりました。
鬼瓦を見るのは楽しい。職人の遊び心もあるのでしょう。ユニークな顔があります。
薬師寺の鬼瓦。
平瓦の反りの定規。





「瓦屋」瓦をつくる職人。「屋根屋」瓦を葺く職人。
仕事の九割は段取りで決まるといわれ、「原寸図の作成」「瓦の選別」が重要な準備です。
焼き物の瓦は一つ一つ微妙に形が違います。
平瓦の場合、「瓦の深さ」「瓦のゆがみ」を確認し選別します。
達磨窯で焼いた敷瓦。この表情がたまんない



屋根は日当たりの悪いところの方が早く傷む。
屋根の寿命を均一にするには焼の悪い瓦は南に、良いものは寒い日当たりの悪いところへ葺く。そのために選別は重要です。(山本清一氏)
美しき景観をつくり守るのは屋根です。

瓦の役割は果てしなく大きく、いつまでも変わらぬものでしょう。
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