大学建築学科は忙しいし面白い、夢がある
「武庫川女子大学建築学科 卒業設計展・作品展」を観てきました。
1年生の演習の集大成課題「祈りの空間」。敷地は指定されフィールドサーベイをする。各個人が選んだ仏像をスケッチしそれを建築に表現する。
3年生の課題「集合住宅」。細部までよく作り込まれている模型です。模型を観る楽しさは自分が模型のスケールになりその中を歩き回ることです。制作者は その視線で設計しています。完成模型の前にスタディ模型で何回も作り壊し、変更しながら良いものに向けて進めていきます。
3年生の課題「幕屋根を掛けた阪神甲子園駅」。現存する建築を再生・増築するときは現地調査が重要です。設計でいかにフィールドサーベイが重要かの課題です。
タイトル「深山幽玄」。中国の山水画に描かれる三遠。面白い敷地設定です。この学生は敷地模型を作成中ニコニコして作業したでしょう。敷地模型を作っているとき当然建築のことを考える。何をやってやろうかと!それが設計の楽しさであります。
「四天王寺の歴史や文化を発信する観光拠点を提案した作品」この作品も模型を観るとワクワク感がある。
曲面を考える。建築家にとっては円形劇場、球体空間、卵型空間、楕円形プラン・・・、は
実現したい形だ。授業でモックアップを造り考えることが重要だ。しなやかさと硬い竹を構造とし左官仕上げで曲面を表している。日本建築の壁・(竹小舞+土壁)の柔軟性がいかに日本に合っているかを理解できますね。
修士2年生の「ユニット化されたグリッドシェルパネル」のモックアップ。美しい曲線になっている。軽量で容易な施工、大量生産出来て低コストでしたら仮設建築なんかにも役立ちそうです。 工学系の中で建築は美術の要素が含まれる学科です。この様に建築関係以外の人も見て楽しめますね。 修士2年生・修士設計。6年間の集大成。タイトル「展景ー海を見晴らす楽しい坂の路ー」
武庫川女子大学建築学科の校舎は巨匠フランク・ロイド・ライトの弟子:遠藤新が設計し、1930年に完成した旧甲子園ホテルです。名建築です。 1年生がこの建築を使用しています。大変羨ましい!そら、ここで勉強できるなら気合が入りますね!1学年40名。一人1台の製図版・PC。私の時代、学校では家に持って帰って製図をする以外になかった。素晴らしい環境の中で4年間、又は6年間建築の勉強が出来ます。
相変わらず偽装が多い建築業界。自分さえよければ、儲かりさえすれば、バレなければ、確認申請が通れさえすれば・・・という最悪な考えを持つ人たちに、
この様な純粋な夢と希望をもって日夜努力し建築を楽しんでいる学生の作品を観るのも良い薬になるかもしれません!
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コメント
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いいですね。
投稿: アントキの猪木 | 2019年3月 2日 (土) 19時39分
いいでしょう!
投稿: ビリー・ジョー | 2019年3月 3日 (日) 01時14分